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目の下のクマの正体とお手入れのコツ 中医学の観点から

セルフケア

さて、目の下のクマのお手入れのコツ。
中医学の観点からです。

中医学の観点からみていくと、クマの原因には大きく以下の3つの要素が考えられます。

◎瘀血(おけつ)

瘀血がある人のおもな特徴と傾向

  •  目の周りが青黒い
  • 少しぶつけただけで痣ができやすい
  • 肩や首など痛いところを押すと心地よい
  • 肩こり、首こりがある
  • ストレスが多い
  • 長時間座っていたりするとお腹にガスが溜まりやすい

血の滞った状態。すごくわかりやすくシンプルに言い換えると血行不良です。

よく似た言葉で「血瘀(けつお)」という言葉があって混同しやすいのですが、あちらは血が滞った状態(瘀血)によって生じた病態のことを指します。

瘀血のある人は慢性的な肩こりに悩まされていたり、少しどこかぶつけただけでも痣ができやすかったり、また舌の裏側の血管が太く盛り上がってどす黒い紫色にくすんでいたりします。

また瘀血はまたストレスとも大きな関わりがあります。血の流れは気の流れによって促進されるため、ストレスを抱えて気の流れが低下すると、それにつられてまず血の流れが影響を受け、さらに血管の動きが悪くなると水分の流れにも影響を及ぼし、結果全身の巡りに悪影響を与えてしまうという性質があるのです。

改善のためにはまず気の流れを整え全身の巡りをアップさせること。

クマなんだし目の周りを直接的にケア!したくなる気持ちはよくわかるのですが、部分的に温めたりマッサージするだけより、根本原因である全身の流れの不良の方にフォーカスしたほうがはるかに近道のような気がします。

それを普段のお食事で改善しましょう、というのが薬膳の考え方です。

中医学ではこの場合、まず「理気薬」というお薬や「平肝」という治療法を使って気の流れの改善を図ります。

理気薬は生薬なのでどこでも買えるものではないのですが、食材で補うならまずは柑橘類の果物(かぼす、きんかん、グレープフルーツ、シークワーサー、すだち、ネーブル、みかん、柚子)、またアロエ、金針菜や菊の花、セロリ、クレソン、トマトやなずななど。

柑橘類はそのまま食べるのが一番手軽ですが、セロリやトマトのサラダに、絞り汁と少量のオリーブオイルを混ぜ塩胡椒で味を整えたドレッシングをかけたらおいしそう。

甘辛く炒めると美味しい金針菜ですが、理気と平肝がテーマですからさっと茹でてポン酢をかけてあっさりいただきましょう。

セロリと一緒にスープにするのもおすすめです。

◎脾胃虚弱

おもな特徴と傾向

  • 食欲があまりない
  • 食べると眠くなる
  • まぶたがむくみやすい
  • 皮膚にハリが無く黄色っぽい

慢性疲労や気力の低下、生活習慣の乱れなどによって脾の「運化」という働きがうまくいかなくなって発生するクマです。

口から入れた栄養を吸収し水分を運搬するのが脾のおもな働きなのですが、栄養が細胞の隅々にまでしっかり行き渡らないと肌がしぼんで痩せてハリをなくし、目の下に影ができるような形で出現します。

また脾のもうひとつの大きな役割に、物質を持ち上げるという働きがあります。脾胃が虚してその力が弱まると、内臓が下がってきたり肌がたるみやすくなったり・・・ああ、女性からしてみたら特にこのへんの話は耳を覆いたくなりますよね。

でも実際に私の経験からも、法令線に沿って縦に走るようなたるみをお持ちの方は胃腸が弱く疲れやすい方が多いように思います。

ただしこういった方も、まず十分な睡眠をとって胃腸を整え、頬や鼻周りのエリアをトリートメントを何回か繰り返すことで、ハリのある血色のよいぷるんとした頬を取り戻すことは実証済みです。

したがって胃腸の弱まりや気力の低下、気の流れ(チャクラでいうと第三チャクラ)と皮膚のたるみや法令線との関連は大いにある、と私は考えています。

また法令線をまたぐように胃経の経絡が走っていることからも、年齢を重ねると疲れやすく口元がたるみやすくなるということの説明はつきそうですよね。

さて、脾胃虚弱の方におすすめするとしたら、まず胃腸を整えるという意味からも、消化に優しい納豆や米麹、味噌などの発酵食品類。

さらに胃の気を高めるために、キノコ類や芋類、豆類もおすすめです。

調理法は同じくスープや煮物など、温かくて優しい味付けのもの。油でジャージャー揚げたりカラカラに炒めたようなもの、さらには生ものや極端に冷たいものなどは、脾胃虚弱の改善が目的であれば当面避けてください。

◎腎精不足

おもな特徴と傾向

  • 目の周りが黒ずむ
  • 足腰が重だるい
  • 腰から下は冷えるのに上半身がほてる
  • 疲れやすい

中医学の解釈では、人間は「腎」という臓器に生命エネルギーを貯めて生まれてくるとされています。うまれてから生後7歳まではお母さんからもらった「先天の精」を使って成長し、それ以降は自分の口から摂った食物からの栄養「後天の精」を糧にさらに成長します。

乳幼児の免疫力は先天の精によって左右されるといわれるほど、生まれ持ったものは重要ですが、7歳以降は自分で摂った栄養が主な糧になります。ですからベースとしては残るものの、お母さんからもらったものが乏しかったからといっても、のちのちのリカバリーは十分可能だということです。

さて、通常であれば腎には食べたものによってつくられた精が常に潤沢に蓄えられているはず。

しかし慢性的に疲労を抱えていたり、質の良い満足な睡眠がとれていないなどで身体エネルギーのもとを消耗してしまうと、やがて腎の精を使い果たし「腎精不足」という状態を招きます。

腎の働きのひとつである水分代謝は悪くなりますし、全身の活力低下にもつながるうえに、お肌の大敵である皮膚のターンオーバーもスムーズにいかなくなってしまいますね。

さて、腎精不足の方のお食事ですが。

まずは虚証(体力が消耗している)を補うために、特に閉経前の女性であれば、しっかり休養をし質の良い睡眠をとることを優先してください。疲労って簡単に聞こえるかもしれないけど、腎が弱ると「生きる」という生命維持の要がダウンしちゃうんです。

気力をなくしたり気弱になったり、怖がったり慎重になったり・・・ココロの健康にも影響を与えます。だから決して腎の弱まりをただの疲労で片付けないでくださいね。

しっかり身体を休ませあたため休養したら、そのうえでやっと腎を養う食材を摂るようにします(ただし、腎が弱まっているということは五行の関係性でいうと胃腸も弱くなっていることが多いため、胃腸を補う食材(上で出てきた発酵食品、キノコ、芋類)を一緒もしくは最初に摂ることをおすすめします)

腎を補う食材としては、穀類では黒豆、小麦、野菜類ではカリフラワー、キャベツ、ごぼう、ブロッコリー、マッシュルーム、プルーンやブドウ、ブルーベリーなど。

魚介類や肉類ではうなぎ、えび、ししゃも、すずき、すっぽん、たい、なまこ、かつお、烏骨鶏の肉、鶏レバー、豚肉など。

魚介の旨味はそのまま腎の栄養にもなりますので、これからの季節にちょうどぴったりのお鍋なんかいかがでしょうか。

魚介の鍋にたっぷりお野菜を入れて、あっさり目の塩味でスープまで美味しく・・・はあ、書いているこちらまでお腹がすいてきました。

以上、簡単ですが、中医学ではよくいわれる目のクマに関する考察でした。

まとめ

クマでお悩みの方には思い当たるところはあったでしょうか。ご参考にしていただけたら嬉しいです。

今回はわかりやすく3つのタイプ別に分けて解説しましたが、本来やはり血液型のようにきっぱりこのタイプ!と割り切れるわけではありません。

サロンではきちんと個別にお話をお伺いしし拝見したうえでトリートメントの方針を決めています。また身体に直接触れる物理的なトリートメントだけでなく、全身のエネルギーバランスを整えるという目的で、天然石を使った「クリスタルセラピー」も併用しています。

五行のバランスを複合的に崩している場合もあるし(ひとつのアンバランスは全体に及ぶので、どちらかといえばそちらのほうが自然です)また当然ながら人の身体と心は当然ながらひとりひとりまったく別のものだからです。

私の場合はどうかな、と気になった方は是非ご相談くださいね。

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