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自宅のキッチンで作る手作り虫よけスプレー

精油の活用法

10年ほど前から市販の虫除けを使うと肌がヒリヒリと赤くなって、使うことができなくなりました。

そんなわけで毎年夏になると虫除けスプレーを自作しているのですが、近年市販の虫除けスプレーの成分が問題となって「できたら使いたくない、子供に使わせるのはちょっと・・・」という声が増えているようですね。

そこで今日は天然の成分を使って自分で作る、虫除けスプレーのご紹介をします。

最後には香りの好み別のレシピもおつけします。よかったら最後までおつきあいください。

基本のスプレーの作り方

まずは基本となる虫除けスプレーの作り方をご紹介します。

用意するもの

50mlスプレーボトル1個分

  • 無水エタノール 5ml(全体の10%)
  • 精製水 45ml
  • 精油 10滴以下(全体の1%以下)

作り方

  1. 空の50ml入りボトルに好みの精油(10滴以下)をたらす
  2. 上から無水エタノールを注ぎ、ボトルを軽く振って精油を溶かす
  3. 上から精製水を何回かに分けて注ぎ、ふたをしめたらよく振って全体を混ぜできあがり

[chat face=”081807.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]精油は水に溶けないため、必ず上の手順を守ってください。

水を注ぎ込むと白濁したり、アルコールと反応して熱を感じる場合がありますが、しばらくするとおさまります。[/chat]

すぐに使い始めることもできますが、一晩置くと全体が馴染んで使いやすくなります。

材料や道具について

無水エタノール

無水エタノールは薬局で買うことができますし、ネット通販でも購入できます。500mlで1000円前後です。

精油

精油は必ず専門店で、そのもととなる植物の学名(ラテン語でイタリック表記されています)がきちんと記載された本物の「精油」をご購入ください。

Orange Sweet(商品名)のすぐ下にイタリックで記された、 Citrus sinensisがオレンジの学名

虫が嫌がる成分を含む精油についてはこのあとご説明します。

スプレーボトル

アロマ専門店ほか、インターネットでも購入可能です。

ボトルは遮光のガラス瓶が望ましいのですが、プラスチック製のものを購入される場合は、アルコールや精油対応の素材であることを確認してください(HDPE、PET、PP、PEの表示のあるもの)

ガラスビーカー

精製水やエタノール、精油など、液体の分量をはかる時に使用します。必ずしもなくてはならないものではありませんが、あれば細かい分量を測るのにとても便利です。

道具を揃えるのがお好きな方にとっては、特に5ml用の小さなビーカーなどは間違いなく持っているとテンションが上がるタグイのものです(私もそうなのでよくわかります♪)

でも、作り慣れて必要と感じてから購入を検討されても遅くはありません。

上の写真にあるのは5ml用と50ml用です。いずれも専門店で500円前後で購入可能です。

濃度について

ご紹介した精油の滴数は、濃度1%の分量です。直接肌に使うため、手作りスプレーが初めての場合や7歳以下のお子さんが一緒に使う場合は、分量を半分にしてお試しください。

虫が嫌う成分を含む精油

植物の成分がぎゅーっと凝縮されたエッセンシャルオイル。

植物のエッセンス(本質)そのものであるエッセンシャルオイルを科学的に分析すると、複数の芳香成分が渾然一体と混ざり合ってその植物の香りを作り上げているのだということがよくわかります。

ひとつひとつの芳香成分には人間の心身に作用する薬理効果があり、それらを経験的かつ統計的に研究し学習することで、こんにちのアロマセラピーは確立されてきました。

そんななか、人間にとってはいい香りだけれど、虫にとっては好ましくない香りの成分というものがあることもわかっています。

虫があまり好まないとする成分を多く含む代表的な精油が以下です。

ユーカリ・シトリオドラ

学名:Eucalyptus citriodora

すっきりと鼻に抜ける柑橘にも似た爽やかな香り。レモンにも似た爽やかな香りが特徴的で、別名ユーカリレモン とも呼ばれる。

鬱々としてやる気のない時に、活力を与えてくれる香りでもある。

ラベンダー

学名:Lavandula angustifolia

甘く華やかななかにも、ほのかな苦味を感じるハーバルな香り。

鎮静させる働きがあり、心身の痛みや興奮を鎮めて和らげる効果も。スイートオレンジとブレンドすることで不眠に効果があると数年前テレビで話題になった香りでもある。

ゼラニウム

学名:Pelargoniums asperum

ローズにも似た甘くふくよかな香りは、ローズにも含まれる共通成分が入っているから。心身のバランスを取る効果でもよく知られているほか、ホルモン様の作用をすることから更年期障害の諸症状やPMSを和らげる効果も。

ペパーミント

学名 :  Mentha piperita

すっきりシャキッと目がさめるようなフレッシュな香り。心や身体に活力を与えたいときや、過度な興奮を鎮めてクールダウンしたいときにも。

クローブ

学名 : Eugenia caryophyllata

嗅ぐと歯医者さんを思い出すという方も。抗菌作用も強く虫さされ後のケアにも有用。

タイム・リナロール

学名 : Thymus vulgaris ct. linalool

ほのかに甘味のあるスパイシーな香り。気持ちが沈みがちなときには活力を与えつつも、単に後ろからドンと背中を押すのではなく、優しく抱きしめるような優しさも併せ持つ。


 

これらの中から1種類を選んでスプレーを作ってももちろん構わないのですが、私のおすすめは2~3種類をブレンドすることです。

次の章ではブレンドすることの効果と私のおすすめのレシピをご紹介します。

精油をブレンドすることで得られる効果

精油をブレンドすると聞くと、慣れない方はびっくりするかもしれません。しかし精油は複数を混ぜることで、以下のような素晴らしい恩恵を受け取ることができるのです。

香りの幅が広がる

たとえばここに美味しいお味噌があればそれだけで幸せだけど、そこにお野菜の出汁や旨みが加わり、さらに唐辛子のピリッとした辛さが加わると、一気に味の深みと幅が広がりますよね。

精油をブレンドすることは、それとよく似ています。

それぞれの個性が混じり合い高め合い、素晴らしい調和が生まれた時、1本だけの精油では実現できない香りのミラクルが広がるのです。

薬理効果が高まる

さきほども申し上げた通り、芳香成分ひとつひとつが薬理効果を持っています。香りの幅が広がるということは、薬理効果の幅も広がるということです。

つまり、精油をブレンドして使うことは、単にシングル精油を使うよりはるかにアロマセラピーを行う上での精油の効果を高めることができる、といえるのです。

香りの持ちがよくなる

私も大好きな柑橘の香りは、香りの立ちはよいのですが、揮発の早いリモネンやテルペン系の成分を多く含む精油です。揮発が早いということは、それだけ香りが飛んでいきやすいということです。

反対にウッド系の甘味のあるとろりとした精油は、香りの立ちが弱い代わりに持ちがいい成分を含みます。

それらの特性を把握した上で揮発の早い精油と遅い精油同士をブレンドしてあげることで、香りの立ちはそのままに、長く持つ香りを作ることができます。

刺激が緩和される

植物のエッセンスそのものである精油はとてもパワフルで、なかには単独で使うことはあまりおすすめできないものがあります。

しかし精油同士をブレンドすることで、香りが柔らかく幅が広がるように、精油の刺激もまろやかになります。

[chat face=”profile-s1.jpg” name=”” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]以上は化学的側面からアプローチする精油のブレンド術です。
私は精油の持つもう一つのアスペクトである、エネルギーの観点から精油をブレンドするということをセッションで行なっていますが、こちらはさらにぐっと奥の深い違った次元のお話です。いずれまた記事にいたします[/chat]

おすすめレシピ例

上にご紹介した虫が嫌がる成分を含む精油の中から、香りの好みに応じたレシピをご紹介します。

私はこれまで香りのブレンドによって虫よけの効果に違いがあるというようなことは、感じたことはありません。

でももしお試しになった方でお気付きの方がいらっしゃいましたらぜひご連絡くださいませ。

華やかなフローラルの香り

  • ラベンダー 5滴
  • ゼラニウム 5滴

すっきりとしたシャープな香り

  • ユーカリレモン 6滴
  • ペパーミント 3滴
  • クローブ 1滴

グリーンなハーブの香り

  • ゼラニウム 4滴
  • タイム 5滴
  • ペパーミント 1滴

 

ご使用はご自身の責任において、特にお肌の弱い方は必ずパッチテストを行なって使用してください。

よくいただく質問

ところでここまでおつきあいくださった方の中には

[chat face=”woman2″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]とはいえほんとに効くの?[/chat]

と思われた方もいらっしゃると思います。実はこれはほんとうによくいただくご質問なんです。

やはり自然のものは優しいだけあってやはりその分効果も弱めにちがいない、という印象があるのかもしれません。

しかし「自然のもの=優しい」「自然のもの=安全である」というのは、あくまでもイメージによる思い込みです。そういった謳い文句で販路を伸ばしている「自然派」化粧品メーカーも存在します。

しかし自然のものにもトリカブトのように人間の命を奪うほどの猛毒性のものもありますし、精油だって間違った使い方をすれば脅威となり得ます。

適切なものを適切に使うことが大前提となることを、ここで再度ご確認くださいませ。

そのうえで。私は手作りのスプレーでも市販のスプレーと同等かそれ以上、虫をよける効果はあると実感しています。

事実、このスプレーをした箇所を刺されたことは、記憶にある限り一度もありません。

さらに全身にスプレーしていても、横着してスプレーし忘れた部分だけを狙って刺してくることからみても、虫除けの効果はしっかりあると睨んでいます。

ご参考にしていただけましたら。

おまけ

実はスプレーなどなくても虫の方からよけてもらうとっておきの方法がひとつだけあるのですが・・・

だいぶ常識を外れたお話なのでこのテのお話が苦手な方にはおすすめいたしませんが、ご興味のある方はこちらからどうぞ。

https://pranaromana.jp/2017/07/21/mosquitos/

要点まとめ

  • 精油の中には虫が嫌いな香り成分を含むものがある
  • 作成・使用は自己責任で、パッチテストをしてから使って
  • 濃度は1%未満、初めて使う方、お子さんに使う方は精油は半分の量で
  • 精油はできたら2~3種類をブレンドして
  • 手作りの虫よけだからといって効果が弱いとはいえない

 

https://pranaromana.jp/2018/07/13/dropper/

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