六本木ヒルズ・森美術館で開催中の「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」をみてきました。
建築の「け」の字もわからない私ですが、なんだか好きなんです「建物」という存在が。
木造の一軒家であれ、高層ビルであれ、石造りの宗教施設であれ、どんな目的で作られたどんな建物であっても、人間が作りあげた建造物という存在になぜだかものすごく惹かれるんですよね。
展示は日本古来の思想と建築の結びつきをテーマに、著名建築家たちの作品をお手本に進んでいく、といった感じでした。
日本の伝統的な建築が、ただ単にその佇まいが機能的かつ美しいというだけでなく、日本古来の日本の思想をこれほどまでに反映しているのだということをまざまざと知って、あらためて感慨を深くしました。
そんななか、あるコーナーで展示されていた西行の句にハートを掴まれ、私の心がまたいつものようにふらふらと旅に出ました。
なにごとの おわしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる
常に私たちの傍らにあって目には見えないが確かに「ある」存在に心が動いたということでしょうか。
そしておそらくそこには深い畏怖の念もあったのではと推測します。
時代も背景も違いますから想像の域を超えることはありませんが、この句を詠んだとされる伊勢神宮を詣でたときの西行の心の内とその動きを妄想しながら、しばし考えに耽りました。
展示はやがて、これからの人と生活様式を反映したものや、自然や空間をユニークに取り入れたものに変わっていきました。
使う人の暮らし、アイディア、個性や時代背景があって、その遺伝子を受け継ぎながら変化していく日本建築という視点を興味深く観覧しました。
写真撮影がゆるされている展示物や(時代ですね)、実際に触れたり腰かけたりできる家具などもあって、私のようなど素人でも十分楽しむことのできる見ごたえのある展覧会でした。
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森美術館 – MORI ART MUSEUM
「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」
2018.4.25(水)~ 9.17(月)
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