「暴力的に夏が待ち遠しいのよ」
10代の頃、夢中になって読んだ女流作家のある作品の中に、こんな感じのフレーズがありました。
その年の6月まで常夏の島、シンガポールに住んでいた私は、その言葉の伝えてくる強烈なメッセージをダイレクトに受け取ってドキドキしました。
だってまるで投げつけるみたいに「夏が猛烈に好きであること」をストレートにあらわす表現が、これ以上にあるだろうか、と思ったからです。
日本や同じように四季のある国から移住して来た友人たちは「雪が恋しい」とか「肌を寄せ合うロマンチックなクリスマスが懐かしい」とかぐちぐちこぼしていましたが、私は結局、常夏の島に6年暮らしても夏に飽きることはありませんでした。
シンガポールがいまよりずーっとのどかだった時代のお話。
しかーし、ひとつだけ。
夏のおまけで私が苦手なものがあります。
それは蚊。
モスキート。
ところが蚊の方は私のことを愛してやまないらしく、ひとたび私の存在を認めると熱烈なアタックをしかけてきます。
庭側のサッシを開けようものなら、網戸越しにものの数秒で囲まれます・・・涙
そんなもんだから、みんなで同じところにいるのに私だけ集中砲火を浴びたように全身真っ赤に刺されることなんてザラ。
成人して体質が変わったのかいまではすっかり楽になったけど、子供の頃は刺されると異常なほどに腫れ上がってたいへんな痛みと痒みに苦しんだのがトラウマです。
これ、いまでは「蚊刺過敏症」とか「蚊アレルギー」などと、ちゃんとした病名がついて専門のお医者様もいらっしゃるようですが、当時は痛みをこらえながら塗り薬を塗って包帯を巻いて、走ることもプールに入ることもできず、とても苦しかったことを覚えています。
数カ所をいっぺんに刺されたときは、痛みと痒みに加えて熱を出して数日間寝込んだこともありました。
こんな私を見て、なんとも気の毒そうにしていた母が思い出されます。
まあそんなわけでだいぶ体質が変わったいまでも、蚊が一匹でも部屋に入って来ようものなら過敏に反応してしまうわけです。熟睡していても小さな羽音でガバッと目が覚めます・・・笑
でもひとりで大騒ぎしてもうっとおしがられるだけなので(なんだよ、蚊がいるくらいで大袈裟な、的な)いかにして刺されないか、また、もし刺されてもいかに被害を最小限に食い止めるか、コレが重要課題。
しかも近年では、この日本でも蚊が媒介して伝染する病気が流行するなど、昔のようにたかが蚊と侮っていてもいられなくなりました。
というわけで、気温が20度を超えると自分とヒトサマに迷惑をかけないために携帯しているのが、自分の好きなブレンドで作る虫除け&消炎スプレーです。
中に入っているのは、水、ミョウバン水、精油を水に溶かすための少量のアルコール(水に対して10%程度)、虫が嫌がる精油(全体で1%未満まで/ラベンダー、ゼラニウム、ペパーミント、レモングラスなど)のみ。
市販の虫除けスプレーは肌がカーッとなって赤くヒリヒリしてしまう私ですが、これならトラブル知らず。
スプレーするときに息をとめなくてもいいし、気になる汗もニオイも抑えてくれる上に、肌の上でべたつくこともない。そしてなにより、香りを楽しむことができる。
私にとってはかかせない夏の相棒。どこに行くにも一緒です。
夏の長距離ドライブのリフレッシュに、車内にシュッとひと吹きするのも好きな使い方。
虫除けとして使う場合はたっぷりと惜しげなく。
爪先から足裏にしっかりスプレーしたら(特に刺されやすいという人は上半身より足を重点的にするのがポイント)、あとは肌が露出しているところ全体にさーっとスプレーします。
効果のほどは・・・市販のものに比べたらこまめにスプレーする必要があるかもしれないですが、これほど虫に好かれる私でも、問題なく凌げています。
さらに、実はスプレーなどなくても虫の方からよけてもらうとっておきの方法がひとつだけあるのですが・・・だいぶ常識を外れたお話なのでまたいずれあらためて別の機会に。
https://pranaromana.jp/2018/07/08/mosquitospray/
https://pranaromana.jp/2017/07/21/mosquitos/