ホリスティックな○○。
このホリスティックという言葉、あちこちで耳にしませんか。
私のまわりでも尋ねてみると、言葉自体には馴染みがある人が多いですが、心と身体の健康に関する意味のコトバだよねえ、くらいの認識はあっても、説明するとなると難しいのかなあ、という印象です。
なかなか「ホリスティック」という言葉をばちーっと平易な日本語に置き換えることが難しいようで、外来語のまま馴染んでしまった感じでしょうか。
辞書を引いてみると「全体的な」とか「まるごと」みたいな日本語があてられているのですが、そういわれてもまだ分かりづらいですね。
ホリスティックな医療=まるごとの医療?
なんじゃそれ・・・て、なっちゃいませんか。
単語をそのままで理解しようとするとややこしいので、概念でとらえて「患者の症状だけではなくまるごとそのひとを診る、という方針の医療」というと、少しは分かりやすくなるかなと思います。
では具体的にはどういうことかというお話を、今日はしてみようと思います。
ホリスティック=そのひとまるごと
例えば、年頃の女性のほっぺにできたニキビ。
本人は気になるし、一刻も早く治したいと思います。
このときにニキビによく効くとされる治療薬を塗って場合によっては化膿止めの抗生物質などを服用して治療する方法を「主訴に対してピンポイントでアプローチする方法」、いわゆるホリスティックの対極にあるとされる「対処法」などといいます。
さて、ここでこの女性、一歩下がって少し離れたところから自分を眺めてみます。
なぜ私はニキビができたのかな?
女性は夜更かしが多く、食事をする代わりにチョコレートを食べていました。
なるほど、生活習慣に原因がありそうだ
こうなると、もうちょっとできることが増えてきます。
十分な睡眠を取る、栄養バランスのとれた食事をする、帰宅したらきちんと洗顔し清潔にする、など、単に治療薬を塗るだけでなく、普段の生活で注意すべき点もあわせて見えてきます。
しかし、さらにもう一歩下がって考えるともっと深いところに行き着きます。
なぜ私は夜更かししてしまうのかしら。
なぜチョコレートばかり食べてしまうのかしら。
これがいわゆる「まるごとみる」ということに繋がってきます。
仕事が忙しいから十分に食事を摂る時間が取れないのか、そもそも食べることに関心がないのか、家庭生活に問題があるのかさらに、ここに心因的な要素がないかみていったり、過去のトラウマなどを掘り下げていく・・・こういう考え方をまとめて「ホリスティックな考え方」といいます。
局部的か大局的か
つまり、症状そのものにフォーカスして症状をピンポイントで改善させる方法か、全体のバランスや関係性をみて方向性を探る方法か、ということの違いといえると思います。
前者はとにかく症状そのものを改善することが目的であり即効性が高いといえますが、原因そのものには触れないことが多いので、その場しのぎになりやすい、薬をやめたらまた元に戻ってしまうなどの側面もありますし、後者は原因となっているものを見極め根本治癒を目指すことはできますが、時間がかかるという側面もあります。
また、原因に迫るため、予防を考える上でも効果的といえますね。