自然療法に携わるという仕事柄、日々のちょっとした不調は早めのセルフケアで乗り切っています。
食べ過ぎたなと思ったら胃腸を暖め、その日の気分で選んだ精油で腹部のトリートメント。
ちょっと頑張りすぎて身も心もヘロヘロなときは、暖めた石(玄武岩)を並べたマッサージベッドにゆったりと横たわり、アンビエント系のBGMとともに好みの精油でだらーっとひたすら芳香浴・・・
香りに包まれて、ひと呼吸入れるたびに体中の筋肉がじわりじわりと弛み、細胞のひとつひとつがまたもとの働きを取り戻すのをイメージしながら明日への活力を取り戻します。
もともと免疫が強いのか、めったに風邪をひかないのも(じっくり思い返してみると、最後に風邪を引いて寝込んだのは16年前!)こういったセルフケアおかげかもしれません。
ところがこのところ、杉花粉のピークはとうに過ぎたはずなのに、滝のような鼻水と喉のむずがゆさと苦しい咳に悩まされていました。
呼吸器系のお助け精油で芳香浴をしてみたり、肺経の経穴へのお灸やマッサージを試みてみたりもしましたが、顕著な効果がみられません。
やむを得ずに市販の風邪薬や漢方薬などを服用してみましたが、一度発作のように咳き込み出すととまらずに、肺や内臓まで吐き出してしまうかと思うほど苦しむまでに。
クリニックでの患者さんへのセラピー時にはなぜかおさまるのですが、終わると控え室に駆け込んで吐くように咳き込む、ということが重なりました。
こうなってしまうともう最新医療、つまり西洋医学に頼るほかありません。
もし万が一風邪をひいているのだとすれば病原菌をばらまいてしまうー!
ヒヤヒヤしながら耳鼻科へ駆け込んで受診してきました。
診断結果は、花粉アレルギーからくる呼吸器系の炎症。
今年の花粉はそんなにひどくなかったはずなのに、このところの忙しさについ体に思わぬ負担をかけてしまったのかもしれません。
その場で吸引の治療薬を2種類投与してもらってかなり楽になりました。
風邪ではないと分かりホッとひと安心です。と同時に、こんな状態になるまで知らずに無理をしていた自分自身に猛省しています・・・プロとしてハズカシイ。
中医学の観点から見ると、肺と大腸はいずれも金の行に属し、どちらに影響があっても必ずそのどちらかにも影響が及ぶとされています。
実は咳がひどくなった翌日あたりから腸にゴロゴロとガスが溜まり出し、もっと面白いことに肺経と大腸経の代表的なツボに痛みが出たりして、そこに集中的にお灸をしたりマッサージをしたりしていました。
結局私の場合、今回は西洋医学の力を借りることになったのですが、最新医療の研究の中でも、アレルギー疾患の原因のひとつに、大腸の不調が関連しているとする報告もあると知ってびっくり。
西洋医学と中医学。
一見まったく違うアプローチながら同じ方向を向いているのだなあ、とまた感慨を深くしたのでした。