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気を合わせる

ひとりごと

トリートメントをしているとき、お客様の様子をぼんやりと観察しながら、ときどきあからさまに共同作業をしているような気分になることがあります。

即興ライブというか、ジャムセッションとさえ呼べるような。

今日はそんなお話です。

私が提供するトリートメントは、関節を進展させたり屈曲させたり、ストレッチしながら行うようなダイナミックな手技が多いのですが、ひとつひとつの動作のとき、お客様が息を吸っているのか吐いているのかは大きなチェックポイントです。

適したタイミングで身体に無理なく効率的に効果を得るために、大きなムーブメントをかけるときは、こちらは必ずお客様の呼吸を観察し、自分の呼吸もそれに合わせ、そのリズムに乗って動きます。

お客様と同じ呼吸を共有するようなイメージですね。

タイミングがうまく合わない場合は流れの途中にあってもしばしホールドし、次の呼吸の波がやってくるのを待ったり、声をおかけして言葉で呼吸を誘導することもあります

しかしまれに、こちらが意図した瞬間に合わせ、すっと自然に息を吸ったり、吐いたりされる方がいらっしゃって「おっ?」となったりすることがあります。

テレパシーで意思疎通ができたのかしら、と思うくらい自然に呼吸が合うので、そのままのシークエンスで流れるように施術がすすんでいきます。

私はそのたび、きっとこれが楽器の演奏だったら、スムーズでキレのあるサイコーに心地よいハーモニーが生まれているのだろうな、と思います。

ある方は、私の動きとリズムと適切なタイミングに合わせてなんとも心地よさそうに息を吐いたり吸ったりされるので、私はびっくりしてうつ伏せになったまま私のことが見えているのかと思ったくらいです。

しかも身体の力はダラリと抜けていて、ここまですっかり相手に委ねるてしまえるってすごい、と感心したのですが、あとでその方が合気道をされている方と聞いて、ひゃあ!と思いました。

実は私、合気道は「調和の武道」と聞いたことがあって、以前からとても憧れていたのです。

合気道は読んで字のごとく、気を合わせる道。自分の力で相手を制すのではなく、相手の気に寄り添っていくのだそうです。

そしてそれはあくまでも相手を剋することではなく相手の気と調和することであり、目的は相手を傷つけて倒すことではなくて、相手に和する心を互いに育むことだと。

ね? 魅力的ではありませんか?

ですからトリートメントを通して、入門したこともない合気道の手合わせをしていただいたような気持ちにもなって、とても感激しました。

呼吸の力というのは絶大です。

私たちのふとした動作の中でも、私たちは呼吸の力を利用して運動をしています。

重いものを持つときは大きく吸って息を止めた方が力が出るし、そんなことは知らなくても私たちは無意識にそれをしています。

なにか作業をするときも、呼吸によってテンポや流れを作っています。

よく連携して作業を行うとき、息が合う、などと言いますが、実際そういうときは呼吸のリズムも見事にシンクロしていますよね。

https://pranaromana.jp/2016/02/08/tameuji/

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